ジルコニア強化アルミナ(ZTA)分率
ジルコニア強化アルミナ(ZTA)は、アルミナ(Al₂O₃)をマトリックスとし、強化相として一定量の酸化ジルコニウム(ZrO₂)を添加した複合セラミック粒子です。アルミナ自体は高硬度、高強度、耐熱性、良好な化学的安定性といった利点を有しますが、靭性は比較的低く、脆性破壊を起こしやすいという欠点があります。
ジルコニアは独自の相変化強化機構を有しており、これをアルミナマトリックスに添加することで、材料の靭性と信頼性を大幅に向上させ、アルミナの脆さという欠点を克服することができます。
ジルコニア強化アルミナ(ZTA)分率の特徴:
- 酸化ジルコニウムをアルミナの結晶相に導入し、応力によって酸化ジルコニウムの結晶をアルミナの粒界に充填すると、クラックの発生が低減し、アルミナの靭性が大幅に向上します。
- 高硬度、ロックウェル硬度88-90HRA、ビッカース硬度HV1200-1400
- 高い嵩密度。ZTAの体積密度は4.15g/cm3以上、ATZの体積密度は5.4g/cm3以上です。
- 耐摩耗性に優れ、特に高温耐摩耗性に優れています。
- 気孔率が低く、密度が強く、壊れにくい。
- 結晶のサイズは1〜5μm程度と小さいです。
化学組成:
アイテム | 標準値 | 標準値 |
(Zr+Hf)O2 | 19~21% | 19.03% |
アルミナ | 78~80% | 79.87% |
イットリウム | 0.5~1.5% | 1.06% |
物理インデックス:
色 | 白 |
嵩密度(g/cm3) | ≥4.15 |
見かけ気孔率(%) | 0 |
結晶サイズ(um) | <5 |
ビッカース硬度HV10 | ≥1400 |
冷間曲げ強度(MPa) | 450 |
冷間圧縮強度(MPa) | 2500 |
破壊靭性KIC(MPa/m2) | ≥5.5 |
最高使用温度(℃) | 1700℃ |
熱伝導率 | 9.0 x 10 -6(20~400℃) |
ZTA 粒子分率サイズ: 1〜2mm、1.2〜2.5mm、2〜3mm、2.5〜4mm、4〜6mmなど。
ジルコニア強化アルミナの用途:
- 研削媒体:ZTAは高硬度、高強度、優れた耐摩耗性を有し、様々な研削・研磨工程における研削媒体として広く使用されています。例えば、電子材料、セラミックス、コーティングなどの産業における研削製造工程において、ZTA研削ボールは材料の汚染を低減しながら、材料を効率的に研削することができます。
- 切削工具:ジルコニア強化アルミナ製の切削工具は、優れた切削性能と長寿命を備えています。金属加工、木材加工などの分野において、ZTA工具は高精度な切削を実現し、高い切削圧力と摩耗にも耐えることができます。
- 耐摩耗部品:機械工学分野において、ZTAはポンプインペラ、バルブシール、ベアリングなど、様々な耐摩耗部品の製造に用いられます。これらの部品は、動作中の摩擦と摩耗に耐える必要があります。さらに、ZTAの優れた性能は、部品の長期にわたる安定した動作を保証します。
- バイオメディカル分野:ZTA材料は優れた生体適合性を有し、人工関節や歯科インプラントなどのバイオメディカル製品の製造に使用できます。高い強度と靭性により、人体の生理環境における機械的要件を満たし、患者に信頼性の高い治療オプションを提供します。
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